Q2.調停(離婚・円満)の場では、相手方と対面して話し合うの?

いいえ。離婚調停の待合室は別々で、調停委員とは交互に話し合いますので、対面することはありません。ただ、通路ですれ違うなどはあるかもしれませんので、相手の顔を見るだけで萎縮してしまうような場合には、家庭裁判所で事前に配慮してもらうようにお願いされてください。なお、申立ての際に提出する書類には、家裁に考慮して貰いたい事を記載できる欄もあります。
ちなみに、相手方が合意をした場合に限りますが、対面しての調停を申し入れることも可能です。いずれにしても、勝手に相手同席の場になるようなことはありません(調停の合意時には、基本的には対面することにはなりますが)が、ここ最近は、少しずつではありますけれど、調停委員さんから、ご当事者の方々に、「対面で調停をした方がいいのでは」というお話がでてきている印象があります。
けれど、近しいシチュエーションでも、対面の話が出てくることもあれば、出ないことも多いですから、これは調停委員さん次第というところでしょうか。とはいえ、当職のご相談者には、修復をされたい方、離婚をされたい方、ご両者様共におられますが、修復をされたいと言って円満調停の申し立てをされたケースの方が、対面調停の提案が多く出ている印象があります。なお、対面するとはいえ、調停委員さんが目の前で見ておられますので、二人きりにされることはありません。
ちなみにではありますが、相手方と対面をしないメリットはあります。特に、DVであったり、精神的な虐待があるようなケースの場合には、相手方の顔を見るだけで萎縮してしまって、話したい内容や要望があっても、怖くて頭が真っ白になってしまうこともあるかと思います。ですが一方で、相手方と対面をしないとういことは、全てのやり取りを、調停委員さんを通して話を進めなければなりませんから、“本当に相手方へ伝えたことが、正しく伝わるのかどうか”または“こちらからの質問について、正しくその返答内容を、調停委員さんが、こちらに伝えてくれているのかどうかが不安になります。
相手方は、時間延長をして、40分、50分と話をしているのに、こちらには2、3分程度で、しかも結論的なところやポイントしか教えてくれないこともあり、それでは、お互いのやり取りに齟齬が起きる怖さがあります。
そうした時に、調停自体に不信感があったり、こちらの話を明確に伝えてもらいたい、そして相手方の話を正確に伝えてもらいたいという場合には、場合によっては、家裁に、“上申書”を書いて、次回の調停までに、自分自身が不満に思ったことや、してもらいたい要望があれば、事前に家裁へ要望を伝えておくとよいかもしれませんね。ただもちろん、些細なことまで上申をしていくことまでは、お勧めはできないときもありますよ。