夫婦関係修復(離婚カウンセリング)の教科書~失敗しないための法則

離婚の進め方には戦略が必要です。

 

夫婦カウンセリング(関係修復)の教本

 

もう一度夫婦としてやり直したい、修復を実現するカウンセリングは存在するのか

「努力するから」「もうしないから」「頑張るから」は通用するのか?

行政書士松浦智昌

夫婦の問題については、何千件ものご相談をお受けしてきました。だからこそ一度離れてしまった気持ちを元に戻す事の難しさを誰よりも理解しております。また、いくら努力をしても相手の気持ちが戻ってこない方の、着眼点のズレについても多々見てまいりました。そのポイントを以下で説明しております。修復をされたい方、または離婚か復縁か迷っている形へのヒントになれば幸いです(長文ですが5分で読めます。その5分がアナタを救うかもしれません)。
なお、多くの方の離婚・夫婦カウンセリングを続けていて思うのは、当初の話し合い時では、結論有りきでの話し合いは避けるべきということです。同じ出来事をみていても、それぞれが主観でみているわけですから、各々の感じ方や解釈がある以上、簡単に理解を促すことはできません。故に、理解ができない以上、理解をしたくもないと思われている状況の中、結論前提で話をすれば、それは単なる綱引きになってしまい、余計に互いの気持ちは離れていってしまいます。ではどうすればよいのか?そのために以下をお読みになってみてください。

 

※ 後半に、修復を失敗するチェック項目を記載しておりますので、そちらもご参考ください。

 

理想的なハートの重なり合い

夫婦でも、恋人でも、理想的なハート(マインド)の在り方は、左図の通りです。お互いのハートがしっかりと丸くなっていて、そして気持ちが重なりあっている形が理想です(完全に重なっていないのは、残りは自分の事を大切にして貰いたいという考えの元、そのようにしてあります。自分の事を大切にできれば、さらにパートナーの事も大切にできると思います)。

 

今、このページを読まれているということは、離婚のお話が出ているか、夫婦関係を修復させたいという方かと思います。そうした方であれば、丸いハートの図は、反省の気持ちにも繋がるかもしれませんね。「昔はそうだったのに。なんで今は・・」というお気持ちかもしれません。だからこそ、このページを最後まで読んでいただき、修復のきっかけを見つけてみてください。心からそう願っておりますよ。

 

思い当たりませんか~理想的で無いハート(マインド)の状態1

理想的では無いハートの状態

このパターンはよくあるケースです。一方のハート(マインド・自尊心)がやせ細り、もう一方は普通な状態です。まず、何故こういった状態が起きるのかを知ってください。結論から言いますと、AさんがBさんに対してモラハラを行なっているか、Bさんに対して依存度が高いケースに起きている傾向があります。
モラハラは気付きにくいのです。 自分はそんなつもりが無くても、相手を傷つけていることは多々あるのです。しかも悪いことにモラハラは、相手の気持ちを少しずつ削ぎとってゆきます。相手方(Bさん)もなかなか自分でも気付かず、気付いた頃には、すでに本パターンでいえばBさんはAさんに対する気持ちを失ってしまっています。

 

よって、Aさんとしては、昨日までは普通だと思っていたのに、急に今日になって離婚を切り出されてしまったというような印象を受ける場合もあります。だからこそ、余計にAさんはBさんに対する依存が強くなったり、さらにモラハラが強くなってゆきます

 

※ 分かりやすい例として“モラハラ”を取り上げています。それ以外でも、同様のケースは多々あります。参考:離婚を迫られた旦那様へ(テキスト&動画)

 

修復のために逆効果となるミス~おちいりやすいポイント
前述のとおり、モラハラをしている側(Aさん)は、必死です。Aさんは、なんとかBさんを繋ぎとめようとして、「頑張るから」「努力するから」となります。ですが、Bさんのハートはすでに離れてしまっていますので、Bさんからすれば、詰め寄られれば寄られるほど、怖くて仕方がありません。実際、実家へ逃げられてしまい「怖くて話ができない」と告げられた方も多いと思います(ちなみにではありますが、モラハラは男性から女性に対するものではありません。女性から男性に対するモラハラも多いのですよ)。
当然「怖い」と言われれば、腹も立つわけですが、それ以上にもっと“思いの丈”を綴(つづ)ってしまいます。綴ってしまうというよりは、ぶつけてしまうという表現の方が正しいかもしれません。いずれにしても、それによってさらに相手を怯えさせてしまうことになります。

 

上の図にもあるとおり、理想的なハートの形は、双方のハート・気持ちが膨らんでいて、重なり合いのある状態です。こう持ってゆけなければ修復は絶対にできません。
焦りや苛立ちの入り乱れた気持ちは分かります。ですが、こちらの気持ちをぶつけ続けること、これも一つのモラハラです。2枚目の図の下側にある通り、Aさんのハートはどんどん膨らみます。Bさんと寄りを戻すために膨らみます。ですが、Bさんのハートは細いままか、さらに細くなり、互いのギャップ(温度差)は大きくなってゆきます。
ここまでお読みいただいた方はお分かりかと思います。まずはBさんのハートを少しでも膨らませること、そして自分のハートを大きくしないこと、ここが重要です。
さらに、多くが自分のモラハラを理解しないまま「努力する」「もうしないから」「がんばるから」と言っているわけですから、まずすべき最低限の事は、

(1)自分の言動・行動の分析
(2)(1)によって相手方をどのように傷付けてきたのかを把握すること
(3)相手方のハート・自尊心を回復させることに集中すること(具体的に何ができるかを考えること)
(4)自分の気持ちは横におくこと
(5)時間は掛かるものと認識すること

となります。 ※ 状況によりますので、詳しくはご相談をお願いいたします。一緒に考えてゆきましょう。
相手方からすれば、「早く離婚をしてくれることが、何よりハートの回復となる」と言うでしょうから、そう言われても当然という気持ちでおられてください。

行政書士松浦智昌

当然ながら、お互いに気持ちの温度差というものがあるわけです。ご相談者様のアプローチを見ておりますと、その自分の暑くなった・冷えた温度をそのまま相手にぶつけてしまっている方が多い印象があります。
温度が違うが故に、感情がぶつかり合い、結果過去の嫌な事も全て思い出し、その後は話し合いすらできないということもあります。ですので、当職は、ステップバイステップで、相手方の様子を見ながら詰めてゆく“手紙”でアプローチをすることを、まずはお勧めいたしております(前述の考えるべき最低限の事ありきです。また、1回目の手紙から思いの丈の全てをぶつけないようにされてください。それもひとつのモラハラと受け取られてしまいます)。※ 手紙を送ってはいけないというアドバイザーの方もいるようですが、それは案件の状況と送る内容によってきます。決して鵜呑みにされないでください(当職は独自の5つのルールに則った手紙をお勧めしています)。
ビジネスでも、何か大きなモノを売りたい時に、相手先に一気に押しこむような事をすれば、相手方としては何かを踏みにじられたような嫌な気分になり、それが余程特別なものでないかぎりは購入をすることはありません。押し売りは勘弁ですよね。人と人との間に気持ちの架け橋を作る、そんなイメージでいていただくとよいかもしれません。

 

お互いにやせ細った気持ち~それでも修復するための方法とは?

両者の気持ちが離れている場合

お互いに気持ちがやせ細ってしまっていて、けれどお互い「特別嫌いではないので修復をしたい」という若干ネガティブな方向での夫婦カウンセリングをお願いされる事があります。共働きでお互いに忙しく、コミュニケーションを取ってくることができなかった夫婦に多いものです。
修復したい理由としては、体裁であったり、両親へ心配をさせたく無いということ、生活レベルを維持したいだとか、色々な理由があります。ただ、お互いにある程度の目的があるのに、夫婦カウンセリングがうまくいかなかったということで、当職の元を訪れる方が多いという現状もあります。何故でしょうか。
理由としては2つありますが、大きな理由の1つは、いきなりご夫婦揃ってのカウセリングを実施してしまっていることが問題なのです。

 

NG-2図の場合、お互いのハートがしぼんでいるわけです。ここだけ聞けばそれまでの話ですが、必ずAさん、Bさんのハートがしぼんだ理由は違うのです。上述の説明のようにコミュニケーション不足というのが問題の根底にあるとしても、その問題に対するお互いの見方は違います。
そして、見方が違うということは、問題解決のための方程式が違う、ということを意味しているのです

 

 

夫婦問題の解決方法は違う

図をみてください。一言で夫婦問題といっても、その問題の認識がお互いに同じであるとは限りません。たとえば浮気の問題があった場合、浮気、がある以上、それが問題と捉えられがちですが、そうではありません。浮気自体を怒っているケースもあれば、怒っているというよりも、傷つけられたという気持ちの方が強い方もおられます。中には「自分だけ好き勝手やって!私も好き勝手やりたり!」という方もいるわけです。浮気のような明確なキーワードがある場合でも、人それぞれなわけですから、特別な問題が無い場合には、見ている問題が違うということがより顕著です。

 

また、過去に大きな問題、たとえば新婚旅行先で怒鳴られたことがある、というように10年以上も前の事がご本人様には大きな問題になっていることもあります。もう一方はコミュニケーション不足が問題と考えていたわけですが、そうではなく、怒鳴ってしまったことにより、相手方は10年間自分の言いたいことを言えずに来た、ということもあるわけです。このような食い違いは無限にあります。

 

そうなれば、やはりお互いが見ている問題が違うのですから、解決方法は異なります。よってまずはお互い、個別にカウセリングを行なって、カウンセラーがまずは互いの問題認識のズレを確認し、また個別でできる範囲で解決をしておき、そのうえで、ご夫婦揃ってのカウセリングに入ることが必要であると考えています。異論のあるカウンセラーもいると思います。当職もあえて異論を論じようと思えばできますので。
ですが、机上の論理ではなく、実務の理論としては、個別カウセリングを行い、そのうえで夫婦そろってのカウセリングを実施する方が修復率は高い印象がありますよ。

 

夫婦関係の修復を失敗してしまうチェックポイント

修復をしたいと言いつつも、相手方の事よりも自分の事ばかり主張してしまっていることは多いものです。以下に、相手方がより離婚をしたくなるような、ありがちな例を示していますので、ご参考にされてください。耳にいたい部分もあるかと思いますが、そこを乗り越えなければ相手の気持ちの扉をノックすること自体させてもらえません。

 

(1) 自分の事ばかりを主張
相手方が自宅を出てゆく際(別居)に、
(a)病気を装う
(b)死ぬと言う
(c)これから自分はどうすれば良いのか、社会的に不安だと言う
(d)世間体を気にする・・等。

 

相手方の事を気遣うのではなく、一人になったら如何に自分が大変かという点ばかりを主張。

(2) 「もうしない(浮気・暴力)」「努力する」「もう一度だけチャンスを」
これらの宣言は、決して悪くはありません。ただ、仮に私が当事者なら聞きたいのは、たとえば暴力であれば、
(a)何故暴力を振るってしまったのか・何故感情をコントロール出来なかったのか
(b)暴力により、相手方をどんな気持ちにさせてしまい、苦しめたかを考え、説明しながら謝罪
(c)自分の気持ちをコントロールするための策(カウンセリング等)を実施(口だけではなく、実際に行動)

 

これらは最低限すべきものだと考えております。口頭での暴力やモラハラ的なものを続けていた場合には、相手方は「これを言ったら怒られるかも・反論されるかも」という気持ちから、何も言えなくなってしまっていることがあります。その点まで、心の深い部分まで考えてみてください。
被害者側は、もし表面的な言葉だけで許してしまった場合、相手方の気が緩んだ時に、また同じ事を繰り返されてしまうのではないかという不安を抱え続けて生活をしなければならなくなります。そのことも想像しながら、どのようにして、相手方の信頼を取り戻してゆけるのかを考えてみてください。

(3) 責めながらの謝罪
当職も夫婦カウンセリングの中でよく見かけますが、「絶対に修復をしたい」と言いながらも、「でも、あなたの方だって悪いでしょ」と、相手方を責めているケース。離婚をしたい側が「あなたの方だって悪い!」と言われて「そうですね。夫婦関係はフィフティ・フィフティですからね」となることはありません。確かに、ケースによりますが、夫婦関係はフィフティ・フィフティな所もあります。場合によっては、有責性のある側から離婚をしたいと言い、有責性の無い側が修復を求めているというケースもあります。ですので、一概に、責めながらの謝罪、が悪いわけではありません。「夫婦なんだから、お互いに見つめ直そうよ」というべき場面もありますよね。

(4) “子どもの幸せのため”という文句を盾にする
ここは語弊無くお伝えしたいところです。安易な理由での離婚の場合には、子どもさんに負担を掛ける可能性は高いと思います。ですから、子どもさんの幸せを考えて、修復を望むというのは正しいと考えます。ただ、中には「子どもの幸せを得る権利を奪うのは犯罪だ・虐待だ。だから自分は離婚はしない!」と言うケースを見かけます。または、子どもさんの幸せや権利について、参考とばかりに、HPやブログ記事のURLを送り付けて刻々とお話をしてしまっておられる方も散見します。

 

後者も理解できるところはあります。ですが、少しだけ考えていただきたいのは、確かに子どもさんの幸せを願う気持ちは本心であっても、相手方も離婚により「子どもに負担を掛けてしまうのでは・・」という気持ちがありますので、権利のことばかりを主張(相手にぶつけていれば)していれば、相手方が苦しくなってくるのは間違いありません。
また、子どもさんも大切ですが、夫婦の問題なわけですから、夫婦として、パートナーとしての相手方との関係改善についても、お話をしていただきたいのです。子どもの話だけですと、それは単に“引き止めている”だけであり、それは夫婦の関係改善に繋がるものではないのではないでしょうか。子どもさんの問題と夫婦の問題を切り離して考えるべき部分もあると思います。

松浦コメント

離婚の話で喧嘩になった時に、奥様から(1)子どもを出産した時の不満(2)子育てへの不満(3)以前、奥様が病気をした時のこと、入院をした時の事などの不満(4)10年も前の浮気の話、を、持ちだされてしまった方はどの位いらっしゃるでしょうか。
言われてしまった側としては、「10年も20年も前の話だろ」と思っておられるかと思います。では何故その話が今持ち上がっているのでしょうか。ここで問題になるのは、今現在起きている問題を解決すべきなのか、昔の問題を解決すべきなのか、という点です。
答えはどこにあると思いますか?また、何故相手方は、今更過去の話をしているのかお分かりになりますか?確かに、女性と男性とでは、見ているタイムラインが違う部分もありますが、それだけで説明しきれるものではありません。
ここを如何に考えるかという点は、夫婦関係の修復にとって非常に重要なポイントになってくると考えています。少しこの問題に向き合ってみてください。見えてくるものもあると思いますよ。

 

松浦コメント

当職の夫婦カウンセリングの進め方は、ご夫婦ご一緒にお越しいただくよりも前に、まずは、各自それぞれにお越しいただく流れを取らせていただいています。
いきなりその場で、本音を話せば争いになりますし、またお互いがお互いの本音を絶対に知っておかなければならないとは考えていないからです。
関係性がまだ改善していない段階で、お互いがそれぞれの期待役割などを知れば、それぞれが相手方に対しての譲歩を求めてしまいます。「こちらが被害者なんだよ。私が求めていることが分かってるのなら、なぜそちらから改善に向けて動かないの」という気持ちも生まれがちになります。つまり、相手が期待通りに動かなければ、それが不満となりストレスな状況になり、余計に関係が悪くなることもありえます
もちろん、知らなければならないことも沢山あるのでしょうが、それを知るタイミングというのも重要なのではないでしょうか。
抽象的な話で恐縮ですが、夫婦カウンセリングというのは、カーナビのように、「50メートル直進して、次は左折して100メートル・・」というように、正確な進路を指し示せるものではありません。それよりも、ご夫婦それぞれが、今自分はどこに立っているのだろうか、仲の良かったころに夫婦で一緒に歩いていた道はどこにあるのだろうか、ということを、夜空の星を眺めて位置を確認し、少しずつ修正・調整をしながら、元来た道に戻していくというイメージです。
だからこそ、最初からお互いの全ての要求や不満を知る必要はないわけです。当職との対話の中から星を見つけていただき、歩いていっていただきたいからです。

 

※ 相手方が修復を考えていない場合には、ご自身お一人でお越しいただき、自分の現状を分析されてみてもよいかもしれません。自分自身の事は、意外と分からないものです。客観的に自分を把握し、そこからがスタートなのではないでしょうか。

 

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